Paris 2014 + 3

2014年に「パリに引っ越しました」(旧ブログタイトル)。3年目の私的メモ。

SANAA設計 ルーブル・ランスに行ってた!②

友人から聞いて気になっていたルーブル美術館分館に行ってきました。

http://instagram.com/p/u2qscNFAHs/

Louvre-Lens

ルーブル美術館ランス別館プロジェクト

ランスは、1960年代までは炭坑都市として栄え、ピークには人口4.2万人を抱えていたものの、閉山してから人口は減少の一途。2011年は人口3.4万人と、寂しい雰囲気が漂う地方都市。

この寂れたイメージを一新し、地方再生プロジェクトの一環として、ルーブル美術館の別館プロジェクトはスタート。2005年にコンペで120以上のエントリーの中から、日本人建築家ユニットのSANAAが選ばれ、炭坑跡地を活用してルーブル・ランスを2012年12月にオープン。

 

経済効果ってあったの…?

実質的にプロジェクトが始動して9年、美術館がオープンして2年。で、当初見込んでいた経済効果はあったのか。

ちょっと調べたところ、ホテルのひとつも建っていないようです。ランスの中心街も新しい飲食業がオープンした雰囲気も特になく、ギャラリーなどアート周辺産業が増えた様子も、、、ない。要するに寂れた地方都市、、のまま。

ランス駅前の旧アポロ劇場には数年前から三ツ星ホテルの建設計画があるらしいけれど、まだ着手されていない模様。(まだ生きているのかな、、)プロジェクト初期は景気が良かったものの、その後景気が悪くなってしまったので周辺産業の誘致は思惑通りにはいかなっかたのですね。

 

アーティスト・レジデンス

次の展開として気になるのは、最近日本でもよく聞く若手アーティストを誘致する方法。実業家でもありアートコレクターでもあるフランソワ・ピノー氏がランスで古屋を改装して若手アーティストを誘致・サポートする計画があるようです。

ピノー氏はフランス人実業家で、グッチやサンローランを抱えるPPRグループのCEO。ファッション・宝飾業界でLVMHなどと共に業界の一角を担うグループですね。1998年にはイギリスのオークションハウスのクリスティーズを買収。アートコレクター、メセナとしても有名(なのは、今回知りました)。

2015年秋には、第一弾としてブルックリン発のアーティストが一年滞在するようです。

 

5年後、10年後にランスでのように発展していくか楽しみです!

 

《参考》

Effet Lovres-Lens : l'économie commence à prendre la roue de la culture (La Voix du Nord.fr, 2013年9月13日付)

La résidence d'artistes François-Pinault bientôt à Paris (Eurolens.org, 2014年9月17日付)