Duft Punk世代のDJの青春と挫折を描く 映画『Eden』が良かった
長い青春と挫折、そして次のステージへ移り行く感覚を味わえる良作。ハウス・テクノ系クラブ・シーンを楽しんだ30代には特別面白い。
ストーリー
1990年代前半、高校生のポールは、ハウス・テクノのコミニュティの中でうまれたガラージ(というジャンル)に夢中になる。CheersというDJデュオを組み、クラブシーンにどっぷりと浸かり、活躍するようになる。
2000年代に入り、クラブ・ミュージックのトレンドが変わる中で、取り残されていく厳しい現実に直面し、彼の長い青春は終わりを告げる。シーンの端々に、若きDuft Punkや彼らの音楽が使われている。
30代はノスタルジーを感じる一作
監督は、本作が4作目となる33歳の若手のミア・ハンセン=ラヴ(Mia Hansen-Love)で、脚本は彼の兄と共同執筆。そもそも、スクリプトはDJだった彼女の兄にインスピレーションを受けているらしい。
物語は、1992年の高校生で始まり、30代前半で終る。時間を淡々と追っていく中で、自分も同時代の中に帰ってく感覚。今30代半ばくらいの人は、ノスタルジーを感じるのではないだろうか。フランス人でなくても、ちょっとわかってしまう感覚。
クラブ・ミュージックのシーンが多いので、それ系の音楽が苦手な人には、やや退屈かも。私は、長い青春と挫折、そして次のステージへ移り行く感覚を味わえる良作だと思いました。
恥ずかしながら、Duft Punkってこういう音楽をやっている人たちだったのね、と初めて知りました。映画の後に、「Duft Punkってフランス人だったんだね〜」と吐いて、今まで何を聴いてきたんだ!と憤慨されてしまいました。。そんなこと、言ったって。。