パリに引っ越しました。

今hipなパリ10区の情報、日本人の就職活動の仕方、不動産事情など自分の興味に沿ってパリの情報を発信していきたいと思います。

シャルリー・エブド襲撃事件の実行犯の10年前

ここ数日のパリは、私が知っているパリではない。暗澹たる気持ちになる。

私が目の前で流れる映像にショックを受けた事件はいくつかある。まず、小学生のときに起こった「地下鉄サリン事件」。難しいことがわからない年齢だったが、やはり周りの異様な空気だけは感じた。ニューヨークで起きた911は、夜のニュースで見た映像が信じられなかった。その後空路は大混乱となり、母親は出張から戻れなくなくなったこともよく覚えている。当時在籍していた公立高校は、初めての海外修学旅行を中止にした。

東日本大震災。まだその傷は癒えないが、ひとつ言えることは、惨事であったが、人が悪意を持って誰かを攻撃するのと、天災というのはまた種類が異なる恐怖だ。すれ違う誰かに疑いのまなざしを向けなくていい。「誰か」を憎まなくていい。(逆にそれが辛いのかどうかは、私にはわからないが…。)

 

外出する用事があり、地下鉄を使おうと思ったら駅の一部が封鎖されている。「不審物の疑い」でシャットダウンしていたのだ。その後ニュースになっていないので、おそらく「荷物の忘れ物」だったのだろう。翌日、また違う場面で、だが、同じ理由で地下鉄の運行が遅れているというアナウンスがあった。街のあちこちが緊張している様子が伺える。

 

7日のシャルリー・ヘブド本社襲撃事件、8日のパリ南部でのガソリンスタンドでの銃撃事件、9日にはそれぞれの犯人が人質をとって立てこもった。パリ郊外北東の印刷工場で、シャルリー・ヘブド本社襲撃の実行犯。パリ20区のユダヤ系食料品スーパーで、こちらが8日の発砲事件を起こした犯人。それぞれ独自に行動を起こしているものの、面識はあるらしい。フランスが誇るGIGN(対テロ特殊部隊)により、犯人は射殺された。


FRANCE - Porte de Vincennes-Dammartin : cachés des heures pour échapper aux terroristes - France 24

日本の夏の打ち上げ花火の最後は、数えきれないくらい打ち上げるけど、それくらいの発砲音が続く。ニューヨークにいるときには、銃社会アメリカだし、「どこかで巻き込まれても仕方ない」という諦めというか、そのリスクを受け入れて暮らす一種の覚悟のようなものがあった。フランスに来るときには、「テロのリスク」を意識したことは、ほぼなかった。

 

フランスはゆっくりと、そして確実に変わっている。シャルリー・エブド本社を襲撃した実行犯であるクアシ兄弟。(どうでもいいですが、この兄弟パリ10区の出身です…)弟のほうのシェリフ・クアシは、2005年にドキュメンタリー番組(撮影当時2004年)で、過激派に傾倒していく様子がフォーカスされている。シリア(ダマス)に向かう直前に、対テロ対策課により、逮捕され刑務所に収監。

しかし、それから10年の時を経て、今回の悲劇を起こしている。2011年には、イエメンでアルカイーダによる軍事訓練を受けたとされる。射殺される前に、彼らはイエメンのアルカーダにより派遣されており、資金提供もされているとテレビ局へ語っている。

私は彼らは、特別な存在ではないように思える。社会的に居場所を見つけられなかった若者が、一種のカルトに洗脳される。もちろん宗教問題というのはそうなのだが、その根底には何だか別の社会問題にある気がする。シェリフ・クアシは、なぜ…。


Paris Terror Suspect Shown in 2005 Film - Video - NYTimes.com(英語字幕あり)