フランスでの学歴のイロハ
先日、ルノー財団奨学金付き MBA プログラムの紹介をしましたが、全く響かないようでちょっとガックシしてしまいました(苦笑) 今回も懲りずに学校関連のことを書いてみたいと思います。
というのも、私がパリで就職活動するにあたり、在仏歴15年を超える大先輩に真っ先に確認されたのが、ビザとフランスのディプロムの有無。業界によるのでしょうが、フランスでホワイトカラーのお仕事をしようとすると、このふたつは三種の神器のうちのふたつと言っても過言ではないのではないでしょうか。
当たり前の話ですが、採用するフランス人からしてみたら、学歴が慶應大学だったり、早稲田大学だったり(一般論として良さそうな大学を挙げているだけで他意はありません)しても、どういう位置づけなのかわからず評価できない(=採用できない)って結論になってしまいますよね。日本以上に学歴社会のフランスでは、フランスの学歴を持っていることが非常に重みを持ってくるわけです。
でも、お互い様でフランスの学歴と言っても、日本人もにはなかなかわかりにくい。日本だと偏差値がひとつの目安に使われることがあると思うけれど、フランスでは聞いたことないし。(未だに明確なランク付けみたいなのみたことないけどあるのかしら)
例えば、ソルボンヌ大学。日本人からしてみたら一番聞いたことある大学だと思うけれど、フランスでソルボンヌ大学の学位が履歴書にあっても、さて、学歴ヒエラルキーの中で頂点とは言えないですしね。
フランス社会で生活している人には常識でしょうが、フランスの学歴ヒエラルキーの中では、まずはGande École(グランゼコール)であり、理系のÉcole d'ingenierであればÉcole Polytechnique(通称:ポリテク)、École nationale supérieure des Mines de Paris(通称:ミン)、École central de Paris(通称:ソントラル)が御三家。
ちなみに卒業生同士は、Polytechnician (ポリテクニシアン)とか Centralian(ソントラリアン)と称して、ちょっと誇らしげな雰囲気を醸し出してきます。
経済・経営系のÉcole de Commerce であれば、HEC(アシュセ)、ESCP(ウーエスセーペー)、ESSEC(エセック)などが名門校とされます。この他にも、グランゼコールは沢山ありますが、「登録」で済む大学と異なり、「選抜」があるということで、総じて格上とされます。
さて、グランゼコールランキングも偏差値ランキングも見たことがなく、フランスの受験戦争を経験していない私でも、ばっちり学歴ヒエラルキーが理解できたのがこちら。
興味本位でCAC40(フランスの株価指数:時価総額上位40銘柄)に数えられている、所謂フランスの大企業のCEOの出身校をウィキってみました(どんだけ暇)。
そしたら、あらまー、3分の1以上が、ポリテク出身。押しも押されぬ東大ポジションなんですね。日本人によく知られているところだと、日産・ルノーのカルロス・ゴーン氏もポリテク出身。
その次にHEC Parisがきます。L'OrealやLVMHのCEOはHEC Paris出身です。暇に任せて作った外国人CEOを除いたマッピングはこんな感じです。何と言っても成熟しきった大企業でCEOも50〜60代が中心、École d'ingénieに一日の長がある感が否めないけれど、今後はどうなのでしょうかね。