Paris 2014 + 3

2014年に「パリに引っ越しました」(旧ブログタイトル)。3年目の私的メモ。

フランスの学歴のイロハ②

先日触れたフランスのグランゼコールのお話の続きを書いてみたいと思います。

 

 

フランスで生活していて何となくその人のバックボーンというか、ソーシャルクラスを理解するヒントになってたりするので知っていて損はないかと思います。

でも日本人である自分に関係あるかというと、たぶんあまりない…。グランゼコールはフランスで義務教育を受けて、バカロレアを受けて、classe préparatoire (準備学級)でみっちりしごかれて、その先の難関突破を目指すゴリゴリな世界なのです。

なので、例えば大学生や大学卒業後にフランスに来ようと思っても、そのレールには乗れないわけです。(というか、乗りたくもない…)ただし、フランスの企業で働こうと思ったらば、「急がば回れ」の精神で、履歴書を強化することも一考の価値があるかと思います。では、どんな選択肢があるのか。

 

フランス企業社会で評価される学歴を取得するのならば、école de commerce(エコル・ド・コメルス/ビジネススクール)や大学の修士・MBAコースがそれなりに説得力のある選択肢になってきます。もちろんご自身のバックグラウンドと進みたい方向性を考えたうえでのお話ですが。それぞれ興味のある分野で、どんなプログラムがあるか比較検討してみることをお勧めします。

また、卒業後に就職する国を100%フランスと考えているのか、その他の国も選択肢として持っているのか。自分の仏語・英語能力はどの程度か。投資できる期間や費用はどの程度かなど、総合的に考える必要があります。卒業しても職がない!投資に見合った結果にならない、という状況にならないように、卒業生などのその後をしっかりフォローして決めてみてください。

以下、フランスで進学を考える際のとっかかり程度にどうぞ。

  • INSEAD MBA:欧州で有数のビジネススクール。卒業にどこの国でも通用するブランドがあります。受験はGMATなど準備期間が相当必要なので狭き門。費用も6.5万€と結構な投資です。また授業自体は英語中心ですが、フランスで就職を希望する場合は、フランス語ができないと6.5万€の投資に見合った条件を見つけるのは難しいので、結果的に英語圏や日本で就職が多いようです。
  • HEC MBA:欧州で有数のビジネススクール。école de commerce(grande école)が母体なのでフランスでのブランド・ネットワークはINSEADよりも強いかもしれません。INSEAD MBA同様、受験はGMATなど準備期間が相当必要。費用は5.2万€と、これまた結構な投資。
  • École de commerce系MBA・修士:HEC、ESCP Europe、ESSECなどはインターナショナル向けのMBAと、よりフランスに馴染みのある通常の修士あり。修士は2万€以下と、MBAよりは金額的な負担は重くありません。但し、ブランド力はフランス国外には届かなくなると思って間違いないので、絶対フランスで就職!という場合に向いていると思います。授業の言語はプログラムによりけり。
  • 大学系MBA・修士:フランスの大学は無料が基本で、修士は大抵は数千€で収まります。MBAプログラムの場合は、他のMBAをベンチマークに多少値がはるようですが、それでもせいぜい2万€くらい。言語はフランス語が多くなると思います。なのでフランスで就職!という場合には、フィットがいいと思います。それぞれの分野で評判のいいところを調べてみる価値あり。

 

以上、ご参考まで。