Paris 2014 + 3

2014年に「パリに引っ越しました」(旧ブログタイトル)。3年目の私的メモ。

これは、要するに新たな出発の物語だ『スパニッシュ・アパートメント』(原題:L'Auberge espagnole)

物事を順序立てて行うということがなかなかできない。クラピッシュ監督&ロマン・デュリス主演の『ニューヨークの巴里夫(パリジャン)』(原題:Casse-tête chinois)について書いたが、前二作についても話したい衝動に駆られる。話が前後してしまうが、仕方ない。

ところで、主役グザヴィエ役のロマン・デュリスは日本で言う、妻夫木君みたいな感じだ。中肉中背で顔が濃い。青春映画でブレイクして、その後実力派俳優に成長した、ような気がする。私は映画に詳しくないので、実際のところはよくわからない。

 

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ともかく、はじまりはこうだ。大学生のグザヴィエは、バルセロナに1年間の留学をする。 イタリア、ドイツ、デンマーク、イギリス、スペインから集まった留学生との、めちゃくちゃな共同生活。遠距離恋愛となった彼女マルティーヌ、バルセロナで出会う人妻のアン・ソフィ、レズビアンで親友となるイザベル。社会人になる前の僅かなモラトリアム期間を綴る。

支離滅裂で悩み多い青年。留学を終えて、輝かしいキャリアをまさに今踏み出そうとする25歳のグザヴィエ。

 

フランス語がわかる方には、ネタバレになってしまうが、私が好きなセリフがこちら。フランス語が分からない方は、映画を見る時のお楽しみに。

Je choisis un avenir sans débouchés. Je vais faire ce que j’ai toujours voulu faire. Tout paraît clair, simple, limpide à présent. Je vais écrire. Tout paraît clair, simple, limpide à présent. (...) Et puis lui, lui je veux pas le décevoir. 
(...) Je suis un vrai bordel. Je peux enfin commencer à tout vous raconter. 
Tout à commencer là, quand mon avion a décollé. Non, non, oh la la, c’est pas une histoire d’avion qui décolle, c’est pas une histoire de décollage, comment dire... Après tout si, c’est un histoire de décollage. Tout a commencé là...

 

筋書きのない将来。どうなるかわからない未来への一歩。あえてレールを踏み外す決断をするときに、何度も見返してしまうのだ。あの手この手で語られるテーマだが、なぜか気持ちよく聴けて、実際このセリフでエネルギーを補給するために何回も見返している。

これは、新たな出発の物語なのです。