DAIDO TOKYO展 カルティエ現代美術財団
旦那の強い希望により、6月で終わってしまうDAIDO TOKYO展のために、カルティエ現代美術財団へ。
森山大道氏の写真は、新宿、ハワイ、パリなど、場所を変えても同じ写真というイメージ。雑踏の中をファインダーを覗かないでバシャバシャ撮っていく、という一貫したスタイルで、どれもノスタルジックさは残るけれど、逆にどの場所でも、それしか感じるものがないので、別に行かなくてもいいかな〜とさえ思っていたのです。実際、私の感受性が鈍いのか、特に感想は前と変わらず。
ただ、スクリーンに映し出されるモノクロの写真(2014年〜2015年の池袋界隈)に合わせて、東京の喧騒が聞こえるという演出があって、この東京の音が一番印象に残りました。パリでは聞くことのない音がこんなにもあったんだなぁと。カラスの鳴き声、5時の帰宅を促す「夕焼けこやけ」のメロディ、デパートのアナウンス、居酒屋の話し声。多分多くのフランス人にはただの記号でしかない音が、有機的に流れ込んでるくる感覚は気持ちのいいノスタルジーでした。森山大道氏の写真って、写真を見るのではなくて、コンセプトを見るものなんだろうな。
今回初めて知ったけれど、カルティエ現代美術財団ってジャン・ヌーベルの設計なんですね。光がたくさん入って、ボタニックガーデンで囲まれてる小さなオアシス。巨大なルイ・ヴィトン財団美術館よりもずっと好き。